ワークフロー

第1回 ワークフローとは?

ワークフローを導入して業務の作業効率を上げたいとか、内部統制の対策のひとつとしてワークフローシステムを検討しているといったユーザさんがたくさんいらっしゃいます。当社はさまざまなソリューションによってお客様の課題を解決してきましたが、費用対効果という面で目に見える成果を上げているものとしてワークフローは上位に位置づけられます。そこで、ワークフローシステムを世間一般ではどのような手続きに導入しているのか、そのメリット、内部統制との絡みなど見ていきたいと思います。

■ワークフローの定義

ひと言でワークフローといっても広い意味を持っているので、当コラムでは、下記の定義とします。

 

『業務手続きの処理手順を規定し、各担当者の間を情報(データ)が円滑に流れるようにして1つの業務を連携し、全体の生産効率を高めること、その手続きを自動化すること』

 

改めて「仕事」なるものを振り返ってみましょう。多くの業務は、組織、あるいは個人の部分的な仕事を連携して成り立っています。多くの仕事は、顧客、上司、他部門などからの直接の依頼や、手続きで定められた間接的な依頼によって開始されます。そして、依頼された人は決められた社内手続きにそって、あるいは個人の判断で処理を行い、その結果を依頼者に返すか、もしくは別の人に更なる処理を依頼します。そうした仕事の依頼は、書類、口頭、電子メールといった情報を媒介にして行われます。このように情報を媒介にして連携する複数の作業(仕事の流れ)を”ワークフロー”といいます。一般的に企業内には大小含めて1500~3000のワークフローが存在するといわれています。
これらプロセスを見直すことで、業務のスピードアップ、ひいては顧客満足度の向上、企業価値の向上につながります。

 

■ワークフローによく利用される手続き

上長の承認が必要な申請手続き、もしくは、手続き完了までに複数の部署の関係者の情報提供、共有が必要なプロセスに多く利用されています。
購買申請、休暇申請、出張申請、仮払申請、経費精算、講習受講申請、勤務表(時間外申請)、稟議申請 などがすぐ思いつきます。
旅費とか勤務表は数が多いし、管理、承認する担当者の負荷が大きいので、ワークフロー化するメリットは大きいですね。稟議申請なんかも非常に有効です。従来の半分以下の期間で処理されるようになった例もあります。

 

申請して承認という簡易手続きだけでなく、一歩進めて、販売業務(マスタ登録や与信管理などを経て受注登録)、生産の工程管理、マスタ登録手続き などもワークフローで流れを規定できれば、生産性が劇的に向上する可能性を秘めています。

 

■BPMとの違い

では、BPM(business process management)との違いは一体何でしょうか?
当コラムではBPMまで深く突っ込んだ内容になっていませんが、相違点を押さえておくことは必要です。(次回テーマとして取り上げるつもりです。)

 

BPMとは、@IT用語辞典から引用すると、
『“ビジネスプロセス”に「分析」「設計」「実行」「モニタリング」「改善・再構築」というマネジメントサイクルを適応し、継続的なプロセス改善を遂行しようという経営・業務改善コンセプトのこと。IT用語としては、前述のコンセプトを実行するために複数の業務プロセスや業務システムを統合・制御・自動化し、業務フロー全体を最適化するための技術やツールをいう。』

 

BPMは、業務や問題点の改善が主目的であって、業務プロセスを最適化したり変更したりできるモデリング機能、そのパフォーマンス測定、改善につなげるためのモニタリング機能を保有します。機能の一部にワークフロー機能を内包したより大きなコンセプトに位置づけられます。BPMもワークフローも、処理単位である箱をつないでフローにするという考え方は同じなのですが、ワークフローの箱=担当者作業レベルであり、BPMの箱はもっと上位の階層であるサービスを対象にしています。BPMは、業務プロセス、アプリケーションを構築する基盤という位置づけになりますね。

 

■ワークフローを導入すると

ワークフローを導入すると下記の効果があります。
・リアルタイムに情報が伝達され、物理的距離に関係なく確実に業務を連携できます。
・業務開始から完了までのプロセス全体の処理時間が短縮できます。
・書類、伝票の電子化によって、紛失や記入もれ、伝達の遅れ、行き違いといったケアレス・ミスを防止し、より正確に迅速に情報の処理が行われます。
・オフィスのペーパーレス化に役立ちます。
・業務の管理者は、プロセス全体を把握し、随時業務の進捗状況、仕事の滞留状況や作業負担の度合いをチェックすることにより、適切なマネジメントを行うことができます。

 

■本当の効果は?

目に見える導入効果は前述したものですが、導入することによる本当の意味をじっくり考えてみました。

 

ひとつはスピードアップ。
システム化の為に業務を見直す。現状の冗長な手続きを見直し、必要のない無駄な手続きの廃止、統合を行い、責任の所在を明確にすることから始まります。この”業務の見直し”こそが、真の業務の効率化をもたらします。その結果、スピードアップという一言では片づけられないたくさんの効果をもたらすことに至ります。顧客満足の向上の面でいえば、迅速に製品を市場に送ることができる、短い時間で顧客の要求に応えることができる、すなわち今の世の中、競争力を決めるものとして、一番手っ取り早いものは時間で勝負することではないでしょうか。なぜなら製品やサービスの品質向上のための努力はやり尽くした感が強いですものね。時間は企業価値の向上のために非常に重要な要素になると考えます。それに加えて、企業力の向上という面から見れば、社員は単純作業にかかる時間を短縮できる分、より生産的、創造的な業務に時間をあてることができます。

 

もうひとつは社員のチームワークが発揮できる環境を構築できる点。
共同作業を可能にするワークフローの導入によって、部門を超えた社員同士のコミュニケーションが取りやすい環境が構築できます。ワークフローは縦割り組織の弊害を劇的に改善するソリューションだと思います。組織のフラット化によって縦横のコミュニケーションがスムースになり、複数の個人/部門による意思決定が早くなります。

さて、ワークフロー構築において、どうしても触れなければならないことに「内部統制報告制度」(日本版SOX法)があります。各企業では管理体制の強化に努める必要に追われていますが、この対応のひとつとしてもワークフローシステムの導入が注目されています。

 

次回は、内部統制から見たワークフローについて考え、ワークフロー導入の本当の意味をもう少し考察したいと思います。

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