接続ツールに何を求めるか

これまで、EAIツールを使わずに済んでいたのに、SAP ERPを入れる時にはツールありきで考え、各社製品の比較検討をして、まずはツール選定するステップを踏むというケースをよく見かけます。
EAIツールの利点は何でしょう。

 

  • ・複雑な接続ラインをシンプルにし、データ転送のハブとして集中管理できる
  • ・アダプタ機能により、接続システム毎の転送開発工数を削減できる。
  • ・フォーマット変換機能により、インターフェース用のアプリケーション開発負荷が軽減できる。
  • ・多彩な通信プロトコルサービスにより、オンライン系の接続も同一経路で行える。
  • ・データフロー定義をGUIで設定でき、システム間を行き交う中間データを保管・管理できる。

 

EAIツールは、このような機能を提供するためのソフトウエアですので、どのツールを選定しても基本は満たしているはずです。ツール比較表を作るという作業は、家電を買う時にスペック比較表を作るのに似て、自分が必要としているかどうかにかかわらず枝葉末節のオプション機能を比較する様なものではないでしょうか?
まず接続ラインのシンプル化を見てみましょう。

 

 

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既存の社内ネットワークを複雑化させていたのは、ツールの不在が原因でしょうか?トータルデザインをせず部署単位に開発し開発時期も違うので、アプリケーションアーキテクチャーのみならずハードウェアやOSさえ違うシステムが乱立した結果ではないでしょうか?

 

topic_03-2 複数存在するシステムの大部分がERP化できるなら、どうしても残るシステムはSAP ERPとの接続だけで良いのではないでしょうか?

EAIの説明として「複数のコンピュータシステムを有機的に連携させ、データやプロセスの効率的な統合をはかる事。」と書かれているのを見た事がありますが、SAP ERPは業務プロセスが統合されたシステムですから、複数システムにまたがる複雑な業務プロセスをシンプル連携するという目的でのEAIは不要です。

 

 

では、なぜSAP ERP導入時にEAIツール利用がデフォルトの様に検討されるのでしょうhか?実際にERP稼働中のユーザー何社かで、EAIツールをフォーマット変換機能付きファイル転送ツールとして利用している事例がありました。EAIツールが持つSAPアダプタを利用せず、SAP ERPにファイル入出力のプログラムをアドオンプログラム開発しているのです。これならEAIツールではなく、FTPツールで良かったのでは?という使い方です。ほぼ同じ機能を持つ接続ツールが何種類か使用されているシステムも存在します。

 

 

SAP ERPと連携させたいシステムがある時、ERPとのつなぎ方がわからない→ツールを使えばいい→ツールベンダーに聞けば、あるいは頼めば接続設計ができる→ツール選定をしよう→機能比較だ!とういうなるのでしょうか。弊社へのお問い合わせも接続ツールの機能説明依頼であることが多いです。システム連携で実現したい機能がある時、接続ツールの機能比較をするのは間違いです。

 

自社にとってどの機能が必須で何が要らないかを把握しないまま、機能比較に工数をかけないで下さい。

「将来利用するかも?」程度の機能は、「直近1~2年以内にスタートするプロジェクトでの利用が確定している」以外不要と考えるぐらいの思い切りが大切です。5年後には、今はない新しい技術が利用可能になっているかもしれません。ミドルウエアには、豊富な機能を求めるより、シンプルさを求めた方が、導入工数や運用負荷、パフォーマンス上のメリットがあるのです。 そして、比較するならツールベンダーあるいは導入ベンダーのサポート力を比較して下さい。

 

通信ミドルウエアである接続ツールは、何か不具合が発生した時システム全体に影響を与えてしまう可能性があります。早急なエラー解析とリカバリーが求められる分野ですから、問い合わせのレスポンスが早い国産ツールベンダーがお勧めです。
あるユーザーでは、米国のEAIツールを導入してサブシステム群からSAP ERPへの会計記帳を行っていました。接続は夜間バッチ方式で一度に大量のデータがSAP ERPに入ります。稼働後1年ぐらい経過すると、予定された時間内にデータ取り込みが終わらない事態が頻発し始めました。加えて、データロストで記帳されていない事があるのに、原因が分からないという困った状況です。さらにツールベンダーのサポート部門に連絡しても埒が明かず・・・その後、弊社にご相談頂きました。 解決策として、よりシンプルなSAPアダプタによる接続への切り替えを提案しました。使っていたEAIツールは、大きなファイルを受信してERP用に変換し、転送するというEDI的な動きに向くものではなかったからです。

 

導入済みのEAIツールは高価な製品で、その分年間保守料も高かったのですが、そのサポートには不満を持たれていたので、躊躇なくツールリプレイスにご賛同頂けました。この時弊社が提案した新規のツール+導入サポート費用は既存ツールの保守料1.5年分相当でした。パフォーマンストラブルを解決し、さらに年間保守費用も軽減できた事例です。

 

 

ツールありきではダメ

まず、接続ツールを決めるというのは順番が違います。
機能比較でSAPアダプタ有となっていても、そのアダプタが※BAPIしか使えないのであれば、SAP ERPとはオンライン接続しかできなくなります。バッチファイルで連携したいサブシステムがあるとすれば、結局そのアダプタは使う事ができずに、SAP ERPにアドオンプログラムを開発しファイル転送する事になってしまうのです。

SAP ERPがカバーする業務はどこまでか、残すシステムはどれか、新規に必要なサブシステムは何か、が判明したら、そのシステム間ではどんなデータ連携が必要なのか、SAP ERPにアドオンプログラム開発せずにサブシステム側の開発負荷も減らすにはどういう機能が必要か、などを整理してから、自社にとって必要最低限の機能を満たすツールを探して下さい。 もしかしたら、それはEAIツールではないかもしれません。

 

繰り返しになりますが、ミドルウエアに多彩な機能や、ファンシーなGUIを求めてはダメです。使いませんから。通信ツールは本稼働に入ったら、バフォーマンスよく安定稼働して存在を忘れられるぐらいの物が良品です。

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