ERP伝票のリアル印刷をするには?

アプリケーション伝票の登録時にアドオンプログラムだけで即時印刷するのはちょっと大変ですよね。パッケージ標準の出力制御機能を利用しましょう。大別すると2つの方式があります。
①SAPシステム内の印刷機能を使う
②伝票データを出力して外部の帳票ツールで印刷する

①の場合、ERP内で印刷イメージまで作成され、スプール管理されます。この印刷イメージはプリンタ依存ですから、プリンタ自体もERPに登録する必要があります。標準搭載されている印刷フォームで問題が無く、ERPに登録可能な機種のプリンタを利用するのであれば、アドオン開発無しで即時印刷できます。

 

出力制御の設定をすれば、特定の伝票が登録されるとバックグラウンドで印刷機能が動き、OSスプーラーに印刷依頼を出すところまで自動的に実行されます。

 

つまり、この方法だとERP標準搭載されている印刷フォームが要件に合わない場合、フォームオーバーレイをERP内で作成、そのフォームにデータを入れ込むアプリケーションをアドオン開発しなければなりません。ERPにはフォーム作成をサポートするツールがありますから、ABAP開発が苦にならない場合はこの方式が選択肢の1つとなります。

 

 

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例えば、「出荷伝票登録と同時に出荷ラベルと納品書を即時印刷したい。納品書は客先指定の3枚複写連続帳票なので、既存のインパクトプリンターを使いたい。」という要件に対応することを考えると、②の方式を検討した方が良いかもしれません。

 

②の外部帳票ツール利用の場合、リアル印刷するためには、ERP伝票の登録成功をトリガーに外部ツールにデータを連携します。これは、①と同様に標準の出力制御機能を利用すれば対応できます。

 

①の場合はERPの出力設定を「即時印刷」にしますが、②では外部システムへの即時出力にします。①では印刷処理がバックグラウンド起動されますが、外部システムへの出力が設定されると、システム間メッセージ作成と送信の機能が起動されます。この時作成されるSAPのシステム間メッセージフォーマットはIDocという形式です。

 

伝票保存と連動して出力されてくるIDocメッセージを受け取り、帳票ツール側で用意されるフォームに合わせてデータ変換するSAPアダプタを使えば、出荷メッセージという1つの伝票データから出荷ラベル用と納品書用の2つのファイルを自動作成できます。

 

こちらの方式で即時印刷機能の構築に必要な作業は、帳票ツール側でのフォーム設定、プリンタ設定、アダプタでのフォーマット変換設定、ERPでの出力設定です。いずれもGUIによる画面設定でプログラム開発ではありません。

 

メリット・デメリット

①SAPシステム内の印刷機能を使う

メリット

SAP内でスプール管理され、印刷ステータスの確認や再印刷オペレーションがSAPクライアント画面からおこなえる。
追加のツールが必要ない。

 

デメリット

帳票専用のツールに比べるとフォーム作成工数を多めに見積もった方が良いし、データ編集用のABAPプログラミングが発生してしまう。これは、ERP導入時工数が多くなるだけでなく、運用に入ってからの帳票仕様変更時のシステム部門負荷になる。

 

②伝票データを出力して外部の帳票ツールで印刷する

メリット

帳票専用ツールには既存帳票のイメージスキャンによるフォーム取り込みやExcel形式の帳票設計書からのデータ取り込みなど便利な機能があり、フォーム作成工数が抑えられる。

スプール管理はERPではなく、帳票サーバ側になり、使いたいプリンタ機種がSAPでサポートされているかどうかの心配は要らない。

 

デメリット

  • 印刷結果はERPの伝票画面やスプール管理画面で確認することができない。
  • 帳票ツールのクライアント画面を利用してのステータス確認や再印刷オペレーションになるので、ERPによるユーザ権限管理は利用できず、ツール側で別途管理する必要がある。

 

オススメ

リアル印刷に限らず、本稼働に入ってからも仕様の追加・変更が多い帳票機能の構築は、なるべくプログラム開発を伴わない方式がお勧めです。
ABAPアドオンで実装してしまって、その保守に悩まされている方も、これ迄掛かった帳票保守費用何年分で方式チェンジ可能かチェックしてみては如何でしょう。

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