工場・倉庫のモバイル端末とERP

倉庫など物流現場でのデータ入力にハンディスキャナを利用されたいエンドユーザは多いと思います。
作業中、いちいちPCの前に座って手袋を外して実績データを入力するなんて非効率です。
例えば、納品物が到着したら次の到着もあるので、すぐに入庫エリアを空けなければなりません。一日の検品・棚入れ後にまとめてデータ処理するという事が起きてしまいます。溜め込んでのデータ一括入力は、入力ミスを誘発するだけでなく、SAP ERPへの在庫反映も遅れてしまいます。極端な事を言えば、物はあるのにシステム上在庫がないため出荷できない、という機会損失が起きてしまうのです。

データの発生点入力とスムーズな現場作業を助けるハンディスキャナシステムですが、発生点入力されたデータをその場でERPに連携しないとバッチ入力同様に1日のタイムラグができてしまいます。

倉庫の実績収集システムを例に、ハンディスキャナとERPの接続を考えてみましょう。

 

 

方式① ハンディスキャナがERPのクライアントとなるパターン(直結方式)

ハンディスキャナを使ってERPにユーザログインしてオンライン端末として利用します。

 

 

 topic_06-1

 

 

ITSmobileやSUP (SybaseUnwiredPlatorm)などの環境を利用してハンディスキャナの画面コントロールをするアプリを作る事ができます。この場合、エンドユーザの倉庫作業者は端末からSAP ERPにログインする事になり、オフィスでPCクライアントを利用している他のERPユーザと同等になります。つまり、このERP直結方式での端末レスポンスは、ERPパフォーマンスに左右されるという事です。

 

 

方式② 倉庫サブシステムとしてERPとゆるく結合するパターン(メッセージ交換方式)

倉庫システムとしてハンディスキャナ制御のサーバを立て、ERPと非同期メッセージ連携する事ができます。

 

 

 topic_06-2

 

 

この場合、倉庫のエンドユーザはERPからのレスポンスを待つ必要がなく、トラックの発車時間に間に合わせる為に次々と出荷実績をスキャンしたいという要件にも応えられます。

アダプタによる非同期連携は、①の様に互いのアプリケーション間が応答を待つオンライン形式ではないですが、実績入力と同時にERPへの送信・自動反映ができますので、データのリアル性は確保できます。

 

 

方式③ バッチ連携パターン(バッチ連携方式)

現行のハンディスキャナ自体が無線オンライン型ではなく、端末にデータを溜め込んでからまとめてPCサーバにアップロードしているというケースがあります。この場合はPCサーバの実績収集システムとERPとのバッチ連携を考えます。

無線LANの敷設が難しい場所ではこの形式もあります。作業者が端末を戻す度に自動でERPにデータアップロードする仕組みをPCサーバ側に作って、なるべくタイムリーな実績報告ができるようにするとともに、中間で人手を介したバッチ作業をして人的ミスを誘発しないよう考慮します。

 

 

メリット・デメリット

①直結方式

メリット

エンドユーザ(現場作業者)は、SAPにログインしてERPを使うので、誰が入力した伝票かERP側で確認できますし、ERPの権限管理機能も利用できます。

倉庫側にマスター類を持たなくてもSAPのデータで端末表示したり、入力チェックすることもできます。

 

デメリット

出荷など、日中にトランザクションピークがある業務は、その時間帯に他の部署のオンライン作業にパフォーマンス的な影響を与えます。同時に、倉庫側の端末レスポンスにストレスを感じる可能性があります。

 

②メッセージ交換方式

メリット

ERPとハンディスキャナシステムの独立性が高いので、端末レスポンスはERPのパフォーマンスに左右されません。方式①と同レベルのリアル実績収集ができます。

ERPへのアドオン開発が必要無いので、導入や運用が軽いシステムです。

 

デメリット

直結オンラインでは無いので、端末にERP側のエラーは表示できません。ハンディスキャナシステムのサーバにDBやチェッックロジックが必要です。ERPとハンディスキャナシステムのサーバとのシステム間連携になり、端末ユーザはERPユーザではなくなりますので、伝票登録者の記録は別途考慮が必要です。

 

③バッチ連携方式

メリット

倉庫側は既存の仕組みを利用できます。ERPにもネットワークパフォーマンスにも影響を受けない端末レスポンスを維持できます。

 

デメリット

ERPデータのリアルタイム性が損なわれます。

この方式ではハンディスキャナ端末にもアプリケーションが必要で、基本的にハンディスキャナ依存のユーザアプリケーションとなります。そのため、ハンディスキャナの機種変更の自由度は低く、全端末のアプリ保守という作業も必要です。

ERP用にデータを編集して送る機能の追加と、ERP側のバッチファイル入出力改修も伴います。

 

 

推奨

SAP ERPへ実績入力するなら②がお勧めです。ERPに用意されているモバイルインターフェースを利用するので、ERPサーバ側には追加のコンポーネント(SUPなど)が不要ですし、インターフェースアドオン開発がありません。ほとんどタイムラグなくERP伝票を更新できるのに、ERPからのレスポンスを待たずに現場作業を進められます。

この方式でバーコード実績収集システムを稼働させているユーザ事例をご覧になりたいかたは、

資料ダウンロードページより「株式会社ディーアンドエムホールディングス」を選択してください。

お問い合わせ

  • Webで簡単お問い合わせ

    製品、導入事例、関連セミナーなど
    お気軽にお問い合わせください。

  • SAPアダプタ ショールーム

    製品デモンストレーションを
    見てみませんか?

  • 資料ダウンロード

    製品別のパンフレットや導入事例の資料をダウンロードできます。

  • エンジニアコラム
  • 特別コラム
  • サイト内用語解説