EDIサーバとERPはどう連携する?

EDIはビジネス(取引先)に直接的な影響を与えてしまうシステムの代表です。
会計システムや生産システムなど、ダメージが社内に留められる可能性が高いものとは異なり、システムダウンが納期の遅れを招いたりします。

また、その性質上、取り扱う転送データボリュームが大きく、一定時間内に多くの明細処理を実行しなければなりません。取引ボリュームが多いからEDI化されているのであって、1日のトランザクションが少ない取引先はFAX・郵送・Webなどで受発注しているはずです。

 

つまり、EDIシステムを考える時には以下の3つの特徴を踏まえる必要があります。

① ミッションクリティカル(ビジネスへの影響)

② 大ボリュームのバッチ処理
③ 開発・テストには接続先(取引先)の協力が必要

 

さて、業務システムがSAP ERPに移行する場合、EDIをどうするか。。。

 

SAP ERPには、取引先とデータを直接送受信する機能はありませんが、EDI用のインタフェース機能を持っています。
この機能は、

・ ERP伝票からEDI通信用のメッセージファイルを作成
・ EDI通信ツールの起動
・ EDIファイルの取り込み(バックグラウンド伝票登録)
・ エラーハンドリング
・ モニターリング
・ 中間データの保存
・ メッセージ開発環境

 

など、EDI処理に必要なものを備えています。
入出力するファイル形式は国際EDI標準のEDIFACTをベースとしていますので、これを中間形式(IDoc)として、対外通信を行うEDIサブシステムで実際の取引先と交換するメッセージ形式へフォーマット変換します。
しかし、業務システムがSAP ERPに移行するのであれば、コード(組織、勘定、品目、取引先etc.)変換処理や変換テーブルメンテナンスなど単なるフォーマット変換だけではない課題がありますので、設計時には考慮が必要です。

 

ここでのテーマはERPサーバとEDIサーバの接続方式の話ですので、いくつかのパターンを紹介します。

 

 

① 現行EDIサーバをERPのEDI機能と連動させる

現在稼働中のEDIシステムを継続利用できるのであれば、ERPサーバとの間にSAPアダプタを入れることにより、現行システムをあまり触らずにERPへ移行できます。
現行のEDIフォーマットとSAP通信フォーマット(IDoc)との変換、
およびERPサーバとのデータ受け渡しをアダプタに実行させます。
データ変換が必要なマスター類もここに持たせて、ERPでのマスター変更時に自動同期が取れる様な仕組みにします。

 

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② EDIサーバをリプレイスする

ERP導入を機にEDIサーバも再構築するのであれば、SAPフォーマットをハンドリングできるEDIツール(国産でもいくつかの製品は対応しています)を導入するか、①と同様に別途SAPアダプタを追加します。
また、取引先との直接通信ではなく、VANサービスなどEDIサービスベンダー経由のファイル送受信であれば、EDIサーバを構築せずにSAPアダプタサーバとサービスベンダーとのファイル転送で済む場合もあります。

 

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新規構築するのであれば、エラー解析がし易いように、できるだけシンプルな構成にして「ファイルがどこに行ったのか分からない」などという
事態にならないようにしましょう。

 

 

③ ERPのEDI機能を使わずにアドオンする

①と②はERPのEDI機能を利用するパターンですが、ERP側のファイル入出力処理を全てユーザーアドオンで構築することも可能です。
この場合のEDIサーバとERPサーバ間接続方法はいろいろ考えられますが、
基本的にABAPアドオンでのファイル入出力はアドオンプログラムからアクセス可能なディレクトリでのフラットファイル受け渡しになります。

 

 

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ファイルの受け渡しには双方向の相手システム起動が必要ですが、一般的にはシステム全体のジョブ監視をしている別のツールが利用されます。
ネットワークディレクトリ共有やファイル転送でデータを受け渡す場合は、ERP側のアドオンプログラムがどのアプリケーションサーバで動くかにも留意が必要です。
ファイルの上書き防止や書き込み中のアクセス制限、中間ファイルの管理などはしっかり設計しないと大事な商取引データを失います。
その他、この方式の注意事項はたくさんあります。

 

 

オススメ

ERP導入プロジェクトでEDI対応を考える場合は上記の番号順です。
なぜなら……

 

理由1

既存のEDIサーバより先の取引先接続部分に手をつけない方がERPプロジェクト内での接続テスト工数を大幅に削減できます。

 

理由2

ERP側の入出力は標準EDIインタフェースを活用すると開発テストツールやモニタリングツールなど実装時に標準機能が利用できるだけでなく、運用時のエラー確認、再処理などの対応もされています。

 

理由3

接続パターン①と②はERPとEDI双方向の起動とデータ受け渡しが標準機能利用で、③の様な物理ファイルの受け渡し方法の検討は不要です。

 

理由4

ERPの標準EDI機能を使っていれば、将来的に急激なデータボリューム増があった時にも設定によるパフォーマンスチューニングの道が用意されている。

 

理由5

ABAPアドオンの品質は人依存であり、上手く設計されていないと組織コードや伝票タイプなどのハードコードが入っていて組織変更や事業変化でアプリケーション側の設定が変わった時にソースコード変更が発生します。

 

理由6

アドオン方式ですと、EDI規約やメッセージ仕様の変更、取引先増加などに対応するのにもアドオン修正や追加が必要です。勿論、ERPのアップグレードやパッチ適用でもアドオンは影響を受けます。

 

理由7

ERPの標準EDI機能(IDocインタフェース)は、世界中のSAPユーザが本稼働させている安定したインタフェースであり、上位互換を持つインタフェースです。

 

理由8

標準インタフェース機能とSAPアダプタの組み合わせであれば、通信トラブル時の再送やそれに伴う二重記帳防止策が取られていますが、ユーザーアドオンソリューションではファイルロストやリカバリートラブルへの考慮が足りないケースが見られますので、要注意です。

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